私の妻は札幌出身。写真は妻の高校時代の恩師である先生のお宅。その先生ご夫妻が昭和47年建築の2階建てに住んでいるのですが、「建て替えようかな? リフォームかな?」と悩んでいたので取材をお願いしました。


「図面はまだお持ちですか?」の質問に「あるよ」と出てきたのがこの写真。見にくいですが、しっかりと間取りがわかる当時のものです。

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■家庭菜園は継続したい

■手すりをあちこちに付けたい

■絵を飾れるようにしたい


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 などなどいろいろとあったのですが、私が意表を突かれたのが次の2点。


①帰宅したら洗面台まで行かなくてもすぐに手を洗えるように玄関に手洗い場が欲しい


②体力を温存するためのぶら下がり健康器があるが、これはリビングに置いておきたい


何気ない要望に思いますか?

私にはかなり衝撃的な内容でしたよ。


①は奥さんの要望


「今年で76歳になるんだけどこの年になると抵抗力が落ちてくるからちょっとした雑菌でもやられちゃうんじゃないか、って怖いのよ。だから、玄関から入ったらすぐに手を洗いたいの。今の場所だと洗う前にドアノブとかをペタペタと触ることになるでしょ?」とのこと。


30歳、40歳では絶対に気づかないポイントです。高齢者リフォームにおいての大きな提案ポイントになると私は確信しましたね。


②はご主人の要望


「年を取ると体力を維持するのが日課なんだよね。会社に行くわけでもないから家の中でゴロゴロしちゃうんだけど、急激に体力が落ちるのが自分でもよくわかるんだ。それとね、女房と二人暮らしだから、別の部屋に置くのではなくリビングでテレビを見ながらやりたいんだよ。だって寂しいじゃない」


これも高齢者独特のものでしょう。体力を維持するためのリフォームなのです。しかも、一人黙々とぶら下がるのではなく、奥さんと一緒の空間を共有したいというわけです。


これもなるほど。部屋を分けるのではなく、常に顔が見え気配を感じられるリフォームをしたいのです。もちろん人によるのでしょうが、こういう考え方もあるわけです。


※下の写真の右にぶら下がり健康器が写っています


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